つつみ内科・皮ふ形成クリニック|福岡県柳川市|美容皮膚科・美容外科 、皮膚科、形成外科、内科、消化器内科、物忘れ治療

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20240301梅

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眉下切開という選択肢

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短くてもいいので、都度都度ブログは書いていかないと、あっという間に1か月が過ぎます。院内通信は絶対に欠かせない作業ですので、マイペースでこなさねばと思っています。
今回は、眉下切開で掲載の了解を頂いた方を提示します。やはり加齢に伴い、目の瞼板(まぶたの中にあるふすま)を上げ下げする筋にはあまり問題なくとも、皮膚性の下垂が徐々に出てくるのはよくあることです。この手術は美容領域とも重なり、皮膚性下垂が侮れない事だと思います。高齢になればなるほど下垂は助長され、深部の腱膜性下垂も伴ってきた場合は、視野確保のために前頭筋や頚部の筋肉まで酷使し、頭痛や肩こりといった症状が出現して生活に支障が出てきます。そのへんの症状改善のための手術であれば当然保険適応となります。今回の方も、手術前は30分ほどまぶたの手入れ(?)をされていたとの事で、お出かけの際は大変だったのではと思います。さらに皮膚性だけではなく、腱膜性下垂も伴っていた方で、教科書的には深部をいじる腱膜性下垂の手術をしましょうという流れになるのが多いかと思います。もしくは、腱膜性+皮膚性のどちらも扱う手術という流れです。
ただ目の手術というのは機能的な面だけではなく、整容的な面の変化も伴うため、それも考慮した治療法の選択も重要かと思います。皮膚性の下垂の場合、眉下切開を行っている医院が最近では多いかと思いますが、以前は皮膚性でもまつ毛近くの二重などのライン付近を切除するのがスタンダートでした。確かにすっきりはするのですが、いろんな意味で患者さん満足度がそれほどでもないのかなあと思います。それに比べ眉下切開には従来の部分の切開にはないメリットがあるようです。第一に、腱膜性下垂の合併が軽度ならこの眉下切開で視野の改善や頭痛・肩こりの症状改善が期待できるという事。腱膜性下垂の方は無意識に前頭筋などを使って視野の確保をしていますので、前頭筋部に近い眉下切開の場合、その効果が直達的になり先ほどの改善が見込めるのではと思います。次に術前に比べ目を中心とした顔貌の変化が強くなく、それでいてアンチエイジング効果が得られるという事。そして二期的にまつ毛付近の切開を加えるなどの微調整の手術なども可能であったり、さらには腱膜性下垂の手術をその後に行う事も十分可能であるという利点です。以上のような点を考慮すると、50歳以上で皮膚性下垂が顕著で、随伴症状(視野の問題、頭痛・肩こり・倦怠感)を伴っておられる方の場合は、保険適応も可能なこの手術は非常におススメではないかと思います。
今回の方は、自ら皮膚性の改善(眉下切開)をまずしてもらいたいというご希望でした。前回のブログにも書きましたが、この手術のポイントはデザインと形成外科的縫合の2つです。斜め切開をするかどうか、剥離はするかどうか、縫合はどこからするかなど各人各様の部分もありますが、その辺は患者さんの状況から自然と出てくる課題で、どちらかというと美容的な面の要求から派生するものです。最も大切なのは機能的にも、整容的にも安定した結果を出すにはどうするかという課題で、これについては前回ブログに書いた、片岡式の計測をしっかり行い、厳守することにしています。この症例では右の下垂が顕著で、右を広めに切除したのですが、さらに切除量が多くてもよかったようです。左右差があり過ぎる場合に、切除量の左右差が極端になるのは避けたくなるもので、二期的に微調整を行う機会を伺うのもありかとは思います。しかしながら、ご本人さんは非常に満足されており、旦那さん含めた周りからもお褒めの言葉を頂いたようで、来院の際は明らかに明るい口調に変わっておられました(笑)。
20230521診療ブログ
全く話は変わりますが、前回ブログでそろそろ認知症関連の話題をと書きました。私自身がグループホームの患者さんなど認知症関連の方の診療を継続していて、いまだに一般の方にまだまだ認知症関連の知識が普及してないと感じる部分が多々あり、少しずつご紹介しようかと思っています。ちなみに当院で行っているコウノメソッドですが、生みの親である河野先生は3年前からYoutubeで惜しみなく情報を発信されています。私も全部視聴できているわけではありませんが、基本コウノメソッド実践医にとっては必須の動画という仕上がりになっています。逆に言うと、オープンにはなっていても一般の方には敷居が高く、内容は高度です。私が実践医になった2011年当時は、河野先生のブログや書籍を通読し、症例について質問し、薬物療法の妙を少しずつ習得していったものです。そのベースがあるから先生の動画に抵抗がないだけで、初対面の方は面食らうかもしれません(笑)。しかし医療従事者でなくとも知っておいた方が良い知識も多く、適度なものをご紹介しようかと思っています。ちなみにサイトはこちらです。またコマめにブログも書いていきたいと思います。
https://www.youtube.com/@user-bv6up1bg5p/featured
 
2023年05月21日 19:54