つつみ内科・皮ふ形成クリニック|福岡県柳川市|美容皮膚科・美容外科 、皮膚科、形成外科、内科、消化器内科、物忘れ治療

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腋臭の手術(皮弁法)について

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ワキの臭いが気になる腋臭症ですが、多汗症がメインの方は、まず保険適応の外用薬を使っていただきます。また汗や臭いの量を減らすという点から、脱毛を併用される方もおられます。多汗症がある程度コントロール出来たという事で、それで満足される方もおられますが、やはり臭いを何とかしたいという方もおられ、その場合は腋臭症の処置的治療を考えることになります。当院では施行していませんが、美容外科で機器による治療を行う方法もあれば、従来からのスタンダードな方法で、皮弁法という手術もあります。後者は保険適応で、当院でも行っています。機器による治療であまり効果を感じられず、最終的には皮弁法で手術を受けられた方もおられるので、比較については述べられませんが、お受けになる施設でしっかり説明をお聞きになるのがいいかと思います。
グロテスクであまり説明ページには載せていませんが、当院での腋臭症の皮弁法について、ブログの方に説明を書いてみます。皮弁法は皮膚の裏にあるアポクリン腺を切除する方法ですが、術前に切除範囲を点線でデザインします。そして皮弁の裏にアプローチするための切開ラインを実線で縦に引きます。勤務医の頃は、この切開ラインは2本引いていたのですが、縫合や圧迫固定の方法との兼ね合いで、現在は1本の切開ラインとしています。切除する範囲全体に局所麻酔の注射をしますが、出来るだけ痛みを減らしたい場合は、術前に麻酔クリームを塗布することも可能です(その場合は事前にクリームを購入していただきます)。麻酔の後で、切開を行い、皮弁を立ち上げ、剥離します。皮弁を裏返し、裏に付着しているアポクリン腺をハサミで切除していきます。
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その後に皮弁を戻し縫合処置、圧迫固定という段取りになるのですが、この手術の最大のポイントが術後の血腫予防です。術中に止血をしていても出るものです。腋窩は陥凹している場所であり、圧迫固定には工夫を要します。手術を行う外科医は、それぞれの経験から、その人なりの圧迫固定を行っていると思いますが、当院では被覆材を用いた固定法を現在は行っています。これを用いるようになって、術後血腫で困ることが無くなりました。もちろん内部に血腫を形成しないようにペンローズドレーンというチューブ(毛細管現象で血液が外へ排出される)を数日間は入れておきます。
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抜糸は1週間ほどで行いますので、患者さんご自身で処置を行ってもらうのにも好都合です。この被覆材を縫合固定しますので、一部潰瘍を形成することもありますが、毎日洗浄してもらって外用剤を塗布するだけで、ほぼ改善していきます。そして抜糸後は、それまでとは逆に腕を十分に動かしてもらいます。動的状態の中で、創部を安定化させるということが大切になります。あまり過保護的に動かさないでいると、創部が固定・拘縮した感じになりますので、そこを理解していただきます。手術を受けられる年齢は10代の方から、50歳前後まで様々ですが、ほとんどの方から、臭いが気にならなくなったというお声を頂きます。やはり物理的に腺を切除するという方法はオーソドックスですが、確かな方法なんだろうと思います。外来での手術ですので、片方ずつの手術になります。抜糸までの1週間という期間がダウンタイムと言えばそうですが、保険も適応される手術ですし、最終手段という意味合いもあり、治療法の1つとしてご理解いただければと思います。


 
2023年03月05日 21:58