形成外科

形成外科で扱う疾患

粉瘤・皮膚腫瘍

皮膚内部に表皮から剥がれ落ちる老廃物が溜まることによってできる良性腫瘍が粉瘤です。皮膚腫瘍のなかでもっとも多く見られます。
初期の段階ではしこりがみられる程度ですが、放っておくと大きくなり、細菌感染を起こすと痛みを伴うようになります。粉瘤を完全に治療するには、皮膚の下にできた袋自体を手術で切除しなければいけません。
再発を防止するためにも手術をすることが一番確実であり、簡単に治ります。トレパンという丸い形のメスでくり抜く方法や紡錘形に切除する方法があります。
当院では傷跡ができるだけ目立たない方を選択します。過去に化膿したことがある場合などはくり抜きが困難な場合があります。顔面などでは排膿などで炎症を鎮静化させる事が整容的にも第一です。

皮膚腫瘍と言っても様々な種類があります。当院では可能な限り日帰り手術を行っています。悪性が疑われる場合や、良性と考えられても見た目の上で切除した方がよい場合など様々です。
経過を見ていて、徐々に大きくなってきている場合などは良悪性の問題のみでなく、傷跡の目立ち方の点からも早めの手術がお勧めです。
状況によってはCO2レーザーなどを使用する場合もあります。ほとんど場合、保険適応になります。

粉瘤術前後

左 粉瘤術前 右 粉瘤術後

皮膚腫瘍術前後

左 皮膚腫瘍術前 右 皮膚腫瘍術後5日目

手術を受けられる方へ

  1. 手術は予約制となっています。外傷や感染の切開などは当日対応させていただきます。
  2. 手術の部位によっては、手術後の入浴は控えていただきますので、当日の朝などに入浴かシャワー浴をしてご来院下さい。
  3. 麻酔は、局所麻酔です。場合によっては塗り薬の麻酔薬を使用する場合もあります。
  4. 手術によっては、ご家族の方と一緒に来院していただき、運転を控えていただく場合もあります。
  5. 内服中の薬は医師の指示に従ってください。
  6. 創部の状態を見せていただくために、次の日は必ずご来院下さい。その後は抜糸の日にご来院いただく事になりますが、手術や創部の状況によって、毎日来院していただく場合もあります。
  7. 手術のキャンセル・時間変更などは、なるべく早めにご連絡下さい。

ほくろ(色素性母斑)

ほくろ

ほくろは、メラニン色素を産生ずる細胞が増殖したもので、一種の良性腫瘍です。
ほくろは生まれつきのものもありますが、幼少期から徐々に大きくなったり、成人以降にも発生します。腫瘍であるがゆえに、まれに悪性のものもあり、切除し病理検査を行う場合があります(皮膚腫瘍に準じて、保険適応になります)。
それ以外のホクロは、主にレーザー治療で取り除きます。

CO2レーザー治療はこちら

腋臭症・多汗症(わきが)

わきが(腋臭症)とは、わきの下の分泌腺である「アポクリン汗腺」からの汗の成分と皮膚表面の常在菌が混じりあって特有のにおいを発する状態をいいます。
アポクリン汗腺は、ホルモンの分泌が活発になる「思春期」より活動をはじめるため、この頃に症状を訴える方が多いようですが、年齢とともにしだいに活動は低下していきます。

わきがの治療について

  1. まずは「いい香りのする制汗剤」を使用してみましょう。当院では「塩化アルミニウム液の外用剤」の処方と低刺激性の制汗剤「D-bar」「D-チューブ」「セルニューデオドラントクリーム」があります。 最近では数日間という長時間に渡って効果の持続する制汗剤も出ています。

    Dバー Dチューブ

    Dバー Dチューブ

    セルニューデオドラントクリーム

    セルニューデオドラントクリーム

  2. 脱毛
    毛穴が小さくなるため、においの元の量が減少します。1や2の治療でまずは効果を確かめてみましょう。

    医療レーザー脱毛はこちら

  3. ボトックス注射
    現在当院では行っておりません。

  4. 手術による治療
    当院では片方ずつ日帰りで行います。わきの下にあるアポクリン腺を切除するスタンダードな方法です。麻酔の塗り薬を局所麻酔の前に併用してできるだけ痛みを少なくして行います。
    術後は皮下の血腫を防ぐ事が大切ですので、わきを圧迫するような形で帰宅していただきます。術後は数日間の通院が必要です。抜糸は術後1週間程度で行います。手術は保険が適応されます。

    手術図

    腋窩皮膚の裏側にあるアポクリン腺を取り除きます

巻き爪(陥入爪)

巻き爪とは、爪の片方または両端部分が皮膚に食い込むように伸びていく状態で、爪が食い込むことにより炎症と疼痛を繰り返します。
爪切りは非常に重要で、食い込んでいる爪を斜めにカットすると、爪の奥が伸びるときにまた食い込み始めるため、爪の角を残してスクエアカットすることをおすすめします。

保存的治療

1. 保存的治療 超弾性ワイヤー法(保険外治療)

伸びた爪の先端部分をワイヤーで矯正する方法です。ワイヤーを入れるだけの爪の先端の余裕が必要となります。
広がったワイヤーがスポーツや靴下の着脱等の障害になることもありますが、直後より広がっていき、痛みは取れていきます。調子が良ければ1ヶ月後の再診になります。爪が伸びてきた場合に、時々入れ替えが必要となります。

マチワイヤー
当院では信頼性のあるマチワイヤーを使用しています。  多摩メディカル
2. 根治術 陥入爪手術(根治術)

指の付け根に局所麻酔をし、食い込んで伸びる爪の両端部分が生えないように爪根部を切除し、レーザーなどで爪根部を焼却処理する方法です。
2~3週間ほどのガーゼや絆創膏が必要です。手術後も爪を切りすぎると再発しやすくなります。手術は保険適応になります。

顔や手の外傷

形成外科では治癒後の見かけや機能の問題を考慮に入れて治療にあたります。創傷治癒という専門分野で、それなりの経験が必要とされます。
この軟膏、その処置というだけでは片手落ちになります。時間的経過とともに動的に見ていく必要があります。

  1. 初期治療の段階で、泥や異物が付いていることが多く、傷が不潔な場合は再度生理食塩水などで洗浄します。泥(異物)が詰まっている場合は麻酔をして洗浄します。後々の入れ墨様状態を防ぐためです。
  2. 傷の状態によって、縫合や特殊な絆創膏の使用等の選択をします。
  3. 翌日以降は、傷の状態を観察しながら、できるだけ早期に治る(上皮化・創傷治癒)よう処置を行っていきます。また後々傷あとが目立たないよう配慮した指導を行います。毎日通院していただく場合もありますが、ご家庭で処置をしていただきながら数日おきの通院の場合もあります。
  4. 傷が閉鎖した後は、紫外線を防ぐ工夫などをしていただきます。縫合創の場合は、はだ色テープを貼ります。傷あとの幅の広がりを止めたり、接触による痛みを和らげたりします。紫外線から守る効果もあります。

熱傷

湯たんぽなどによる低温熱傷と呼ばれるものや、化学物質による熱傷などもあります。また深さもさまざまで、それによって傷が治る(上皮化と言います)までの期間もいろいろです。
受傷により壊死(生体ではなくなった)した皮膚と生き残って問題ない皮膚の部分以外に、治療によってどちらにも転ぶ可能性のある部分というのがあります。
その部分が温存できるよう処置を行っていくことになります。一度壊死した組織は、除去されるまでは皮膚の再生を逆に阻害することにもなります。
「湿潤環境」という一般化してきた創傷治癒の概念を間違わないように実践していくことが処置になります。

肥厚性瘢痕・ケロイド

正常の傷は、一時的に赤くなっても徐々に赤みが引き、目立たない白い傷となります。
しかし、このような経過を取らず、いったん治った傷が1~2か月後から赤く盛り上がり、みみず腫れのようになることがあります。そのような場合には、肥厚性瘢痕やケロイド瘢痕の可能性があります。
肥厚性瘢痕とケロイドは見た目では区別は困難です。治療の効きやすさや再発の程度には大きな違いがありますが、その原因や治療はほぼ共通です。

  1. 内服治療
  2. ステロイド軟膏・テープ
  3. 圧迫療法
  4. ステロイド注射
  5. レーザー治療 医療用LEDによる治療

    医療用LEDヒーライトⅡはこちら クラリティ血管治療はこちら

  6. 放射線治療
  7. メイクアップ
  8. 手術療法

などがあります。当院では保存的治療が中心となりますが、レーザー治療や手術療法を選択する場合もあります。

白い傷跡になっても、周囲との肌の質感の違いのためにその部分が強調されてお困りの場合は、フラクショナルレーザーによる治療も可能です。

CO2フラクショナルレーザーはこちら

眼瞼下垂症(まぶたの垂み)

まぶたがたるむと、皮膚が目に被さり視界が狭くなったり、眼瞼挙筋(まずたを持ち上げる筋肉)がつながっている腱膜と瞼板の癒合部分が緩むことで、まぶたを持ち上げる力が弱まるなど、まぶたが開きにくくなります。
その結果、眼瞼挙筋に付随しているミュラー筋がより強く収縮しようとするため交感神経が高まり、体を支える起立筋が緊張し肩こりが生じたり、眉毛を持ち上げる前頭筋が収縮し、額の横じわが刻まれる険しい表情となり、目の疲れや頭痛がでたりすることがあります。

以上のような症状でお困りの場合は、保険適応で眼瞼下垂の手術をすることが可能です。まぶたの腱や筋など深層に及ぶ手術は行っていませんが、皮膚のたるみを改善させる手術は外来で可能です。お気軽にご相談ください。

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