つつみ内科・皮ふ形成クリニック|福岡県柳川市|美容皮膚科・美容外科 、皮膚科、形成外科、内科、消化器内科、物忘れ治療

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20240506藤の花

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フラクショナルヤグレーザーをご紹介

20230130診療ブログ
早速、今日は美容施術の話を書いてみます。レーザー理論とまで言うと、また大変ですが、レーザーは波長と、照射時間というのが非常に大切になります。一定の波長がレーザーですので、波長が決まれば、ターゲット(メラニンとか赤みの元の赤血球とか)も決まります。しかしそのターゲットに適切な効果を及ぼすためには、照射時間というのが非常に大切で、照射時間が短くなればなるほど、衝撃波でそのターゲットに限定して効果を及ぼすことになります。しかし脱毛や赤みの治療では光熱作用が出ないと効果がほとんど出ませんので、この熱作用が無ければいけない施術もあるわけです。最近のピコレーザーは、衝撃波がメインで光熱作用が最も少ない機器というわけです。しかし皮膚とは面白いもので、適切に光熱作用が出てくれた方が効果が高い場面も多いのです。
たとえばIPLなどの光治療や脱毛に使うロングパルスレーザーではマイクロ秒という長い照射時間なわけですので、光熱作用がメインです。先ほどのピコとは真逆です。その中間に、Qスイッチレーザーがあり、ルビーレーザーなどはシミの治療で有名です。このQスイッチ、衝撃波のピコと、ロングパルスやIPLの光熱作用のちょうど中間の性質を併せ持ちます。そしてその1064nmのヤグレーザーは、美容では以前から肝斑のトーニング施術として使われていますが、波長が長く、メラニンにはやんわりと反応し、真皮の毛細血管やコラーゲン増生などへの効果で若返り治療(波長が長いロングパルスで)としても使います。Qスイッチヤグレーザーの肝斑トーニングですが、肝斑の患者さんにおける表皮メラニンの増加、真皮にも加齢性変化が生じている事、レーザー後の白抜けや悪化のリスクなど総合的な面から行われるレーザー施術と言えます。そして通常はこのトーニング、白抜けや悪化のリスクを考慮し、パワーをそんなに上げることはありません。
話はここからですが、当院で使用しているトライビームプレミアムには、この1064nmのフラクショナル(点状照射)ハンドピースが装着できます。何がメリットかというと、白抜けのリスクを最小限にできることから、機器のパワー(フルエンスと言います)を相当上げることが可能になります。さらにパワーを上げることにより、より光熱作用も発揮できるようになり、通常ではロングパルスという照射時間の長いレーザーでしか効果のない赤み(毛細血管)や真皮再構築への効果も出てきます。そのため毛穴の黒ずみ、開き、肌の凹凸、赤みなどのニキビ肌、ニキビ痕の方にもおススメできるQスイッチレーザーという美味しいレーザーに変身します。それなら最初からロングパルスレーザーでやればよさそうですが、ロングパルスではメラニンや黒色への治療が難しく、このへんは照射時間の短いレーザーでないと反応性に乏しい面もあるのです。ですので、照射時間は短いQスイッチでありながら、相当パワーを上げられるフラクショナルという組み合わせで、お肌の様々なお悩みに対処できるという理屈なわけです。トライビームプレミアムの紹介ページにも書いてますが、他の機器によるトーニングよりも痛みの少ないPTPモードを搭載していますが、そのPTPのまま、このフラクショナルハンドピースを使いますので、私自身が受けても、痛みはほとんど問題ないレベルです。
通常のPTPトーニングやPTPフェイシャルの方は、その都度ハンドピース代のみで、この施術を受けて頂けます。もちろん最初からこのコースもございます。トーニングとロングパルスの光熱作用の両方を同時に施術いただくのをデュアルフェイシャルとしてメニューにもありますが、それに近い効果を1つの施術でやってしまう治療とお考えいただいてもいいのかなと思っています。ちなみに日本で当院しか入ってないハンドピースらしく(笑)、機器購入の際にえいやっと一緒に入れていた次第です。論文など検索すると、すでにインドでは肌の凹凸などのニキビ痕にQスイッチヤグレーザーのフラクショナルが使われていました。最近ではCO2レーザーもフラクショナルで、昨年当院に入れたルビーレーザー(ナノスターR)もフラクショナル。美容にフラクショナルという用語は必須の時代になってきているのかもしれません。
今後、肝斑の治療などもまた書いていきたいと思います。
2023年01月30日 17:36